
友人はその後もソワソワしている様子で、早く帰って欲しいと言わんばかりな態度でした。
そんなに簡単に爪水虫はうつるものなのでしょうか?

家族の間で感染するケースが多いので「自宅にいた」ってことにより、ご友人も心配だったのでしょう。
しかし、「触ったらすぐにうつる・空気感染する」ってことではありませんので、どうしたら水虫や爪水虫がうつるのか?についてお話していきたいと思います。
目次
水虫や爪水虫がうつる原因は「白癬菌」だった…
水虫と爪水虫の原因は白癬菌(はくせんきん)というカビの一種です。
白癬菌はカビなので風邪菌などのウイルスとは違い、空気感染はしませんし、触ったらすぐにうつる訳でもありません。
ちなみに白癬菌が原因となり起こす症状は、水虫や爪水虫以外にも以下の病気があります。
- 頭:しらくも(頭部白癬)
- 体:ぜにたむし(体部白癬)
- 手:手の水虫(手白癬)
- 股:いんきんたむし(股部白癬)
- 足:足の水虫(足白癬)
- 爪:爪の水虫(爪白癬)
水虫や爪水虫は有名ですが、意外にも同じ原因(白癬菌)による病気はこんなにたくさんあるのです。
白癬菌の特徴
白癬菌は人間の死んだ細胞である皮膚(角質層)・爪・髪の毛に好んで寄生します。
内蔵や目などには寄生しません。
また、白癬菌は高温多湿を好みます。特に湿度が高いところでは活発に活動をします。
こういった特徴から、足に寄生して水虫として症状を表すことが多いのです(靴を履いているので湿度が高い為)。
水虫や爪水虫はこうしてうつる!
人間は生活をしていく上で自然にアカを落としています。水虫や爪水虫の人が落とすアカの中には、白癬菌が潜んでいます。
この白癬菌が潜んでいるアカを踏んで(まだ水虫ではない人が)足に付着すると、そこから白癬菌が足の角質層に入り込みます。
こうして水虫の症状が起きるのです。
ちなみに水虫だけでなく、先ほど紹介した「ぜにたむし・いんきんたむしetc...」も同じ流れで症状を起こします。
つまり、白癬菌に感染する部位が違うだけってことです。
何分?何時間?何日?で水虫はうつるのか
白癬菌が潜んでいるアカが付着してもすぐにうつる訳ではないと冒頭でお伝えしました。
「どのくらいの時間でうつるのか?」というと、生活環境により変わってくるので明確な時間はありません。
なので、今回は目安になる実験結果をお伝えしたいと思います。
白癬菌が角質層に入り込む時間の測定結果
湿度85%以下 | 湿度100% | |
---|---|---|
15℃ | 測定記録なし | 3~4日 |
35℃ | 1週間以上 | 1日 |
体温に近い35℃の環境の場合、湿度が85%以下だと1週間たっても角質層に入り込めない白癬菌ですが、湿度が100%になると1日で入り込んでしまいます。
つまり、1日で水虫がうつってしまうってことです。
しかし、「湿度100%は危険!!」って言われても、それってどんな状況?って感じですよね。
1日で水虫がうつる「湿度100%」の環境って?
私たちが1日にかく汗の量ってご存知ですか?
なんと1日で200ml(コップ1杯分)もの汗をかいているのです。
裸足で生活している時の足の湿度は80%程度ですが、ずっと靴を履いていると100%近くになるのです。
また、季節も関係してきて梅雨の時期なんて靴の中の湿度も上がり100%に達し、ジメジメして温度も上がりますね。
こういった環境だと、高温多湿を好む白癬菌は活発に活動し、繁殖しやすい空間となります。
水虫や爪水虫がうつる理由のまとめ
水虫の人が落としたアカの中には、白癬菌が潜んでいます。
このアカを踏んだことにより、アカから足、足から角質層、と白癬菌は侵入して寄生し水虫の症状を起こします。
角質層へ侵入する時間は、環境によって違いますが1日8時間以上靴を履いている人なら、足の湿度は100%近くに達しているので1日(以上)で水虫がうつります。
この水虫を放置していると今度は、角質層から爪へ白癬菌が侵入して爪水虫として症状を表します。
こういったことから爪水虫は「水虫の末期症状」とも言われていて、爪の中で白癬菌を飼っている状況なのです。
爪水虫を治さないと爪から足へと白癬菌のキャッチボールが続き、水虫も一向に治らない状況になってしまうのです。